top of page

文学賞味会2023が近づいてまいりました

文学賞味会が近づいてまいりました。今回も豊かな時空間を皆さまとご一緒したいと張り切っています(^^)


ところで…小説「蜘蛛の糸」の〈作品世界〉はどこにあるのでしょうか?


「活字を眺めているうちに、勝手に紙面上に立ち上がってくる」わけではなくて、読者一人一人の脳内に現象するのですね。つまり、〈語り手〉と読者との共同作業で生まれるのが、小説の〈作品世界〉


前回の文学賞味会でもお話ししたように、朗読で、小説の〈作品世界〉を届けることはできません。小説は、読者一人一人に文字で届くもので、「蜘蛛の糸」の〈作品世界〉は、読者一人一人の脳内に現象する性質のものだから。


「届けるためじゃないとしたら、いったい何のために朗読をするの?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんね…


もちろん愉しいからですが、声を出す喜びだけなら、歌でもいいし語り芸の台本を朗読してもいいですよね。

私たちはなぜ、小説を、朗読するのか?

それは、〈語り手〉を追体験する朗読という行為によって、さらに〈語り手〉のことを理解できる、という無上の喜びがあるからでしょう。文字と身体を繋ぐということを、朗読はやっているのですね。身体を使う読書で、作品理解は格段に深化します。そして、身体を使うからこそ、読書が体験になるように感じます。


体験している人の側にいると、自分の身体も影響されますよね。これが朗読を「聴く愉しさ」なのだと思います。もちろん、自分自身が体験しているとき、その愉しさは倍増しますから、文学賞味会にご参加くださる皆さまは、ぜひ、ご自身で朗読してから、当日、朗読をお聴きくださいね(^^)


朗読者と聴き手とが、揃って作品世界を遊ぶ感覚は、文学賞味会だからこそ味わえる格別なものです。高田映介先生のわかりよい「蜘蛛の糸」〈作品世界〉の解説、宗川諭理夫さんが文学賞味会のために作曲してくださった素晴らしい「蜘蛛の糸」の音楽、日常を忘れさせてくれるステキなhitomiホール、そして何より、ご自身の「蜘蛛の糸」〈作品世界〉を創っていらっしゃる皆さまのご参加があってこそ、文学賞味会は成立します。感謝の気持ちいっぱいに、「蜘蛛の糸」の〈作品世界〉をご一緒に旅できる3月4日を、心待ちにしております!

Comments


Blog

カテゴリー

salondemariko_RGB_ 1.png

Salon de Marikoのロゴは、ハートの形をモチーフにしています。文学作品を味わう過程と時間を、朗読で、人と共にすることで、心(脳)が豊かに育つことを表しています。また「サロン」は、人の温かみのある上質な学びの時空間を表しています。

© 2023 by Mariko Ishida

bottom of page