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朗読読書会2024


夏目漱石・作『夢十夜』の『第一夜』は、掌編ですけれども、たいへん奥深い小説です。とてもとても“音声”で“聴き手”に届けられる作品ではありません。したがって、この作品に対応するのは、「音声表現する朗読」ではなく、「〈語り手〉を追体験する朗読」ということになりますね(^^)


「〈語り手〉を追体験する朗読」は、表現行為ではなく、読書行為です。作品を読み深める手段です。


3月3日(日)の朗読読書会では、「〈語り手〉を追体験する朗読」をたのしみながら、『第一夜』を皆で読み深めて豊かに味わいます♪

具体的には次のように進めてまいりましょう↓


まず、「〈語り手〉を追体験する朗読」を通して気づいたことを、高田映介先生にも加わっていただき皆でざっくばらんに話し合い、作品世界のイメージをすり合わせていきましょう。〈語り手〉に対する理解がどのように深まっていくのか…いまからワクワクします!もちろんいきなりでは、たのしんで読み深めることは難しいかも…。ぜひ前もって、ご自身で、〈語り手〉と同じ体験を試みて(*)いらしてくださいね。〈語り手〉理解が深まるほど、〈語り手〉が創ろうとする作品世界を、より豊かに感じられるようになります(^^♪


次は、(声帯を使う)朗読者(=石田麻利子)と、体験を響き合わせる時間です。宗川諭理夫さんが『第一夜』にぴったりの素敵な音楽を作曲し、朗読の前と後に演奏を聴かせてくださいます。宗川さんが奏でるヴァイオリンの音色、今回もうっとりします…☆。。。

さて、ここで注意事項をひとつ。

他人事としてではなく、自分ごととして聴ける(=作品世界を体験できる)のは、本当に素晴らしいことです♪そして今回は、さらに一歩、その先の大人の愉悦へと進みましょう!どういうことかというと…

「音声表現の朗読」を聴くときには、朗読者の音声を受け取りながら想像力を使って、つまり、朗読者との共同作業で、作品世界を創るのでした。一方で「〈語り手〉を追体験する朗読」を皆でたのしむときには、作品世界は、〈語り手〉と自分との共同作業で、前もって創ってあることが前提。自分自身の体験をしっかりと確立しておくから、(声帯を使う)朗読者の体験と、(声帯を使わない)朗読者である自分の体験を、響き合わせることができます!ともに体験する仲間を得る、といったイメージでしょうか。なんとも言えないあたたかな悦びが、きっと生まれます(^^)


「〈語り手〉を追体験する朗読」を通して想像力で創造した(自分自身の脳内にある)作品世界が、他の朗読者のリアルな体験に触れることで、より豊かに変容する。このことを、朗読読書会で発見してくださると、わたしはすごく幸せです!


虚構世界に心遊ばせる濃密な時空間を皆で分かち合ったあと、皆さまから、宗川さんから、高田先生から、わたしから、どのような言葉が生まれることでしょう?ドキドキしますが、とにもかくにも、感謝の気持ちいっぱいに朗読読書会を結びたいと思っています!


静謐な空間、そして、100年という時間をごいっしょするスペシャルなイベントです。「音声表現する朗読」ではなく、「〈語り手〉を追体験する朗読」ですから、どうぞ安心して、おおいにたのしんでくださいね♪

皆さま、何卒よろしくお願いいたします☆彡



【(*)〈語り手〉と同じ体験を試みる】について…

この作品の〈語り手〉は、自分のことを「自分」と呼び、女の言いつけどおりに100年も待っちゃう男です。わたしたちも、この男になって(なったつもりで)、女を眼前に見ましょう。匂いを感じましょう。なめらかな皮膚を愛でましょう。庭に穴を掘りましょう。苔の上に座りましょう。空を見上げましょう。接吻もしちゃいましょう!たっぷり右脳(想像力)と身体を使って、〈語り手〉と同じ体験を試みていらしてくださいませ(*^^*)

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Salon de Marikoのロゴは、ハートの形をモチーフにしています。文学作品を味わう過程と時間を、朗読で、人と共にすることで、心(脳)が豊かに育つことを表しています。また「サロン」は、人の温かみのある上質な学びの時空間を表しています。

© 2023 by Mariko Ishida

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